0歳からできる性教育って?|宮崎・もあな助産院

「性教育なんて、0歳にはまだ早いのでは」

そう思われるかもしれません。

性教育というと、言葉で教えることを思い浮かべますよね。「どこから赤ちゃんが来るの?」に答えたり、からだの名前を教えたり。

それは、0歳の赤ちゃんにはまだ早いですよね。

でも——0歳からできることがあります。

赤ちゃんの「気持ちいい」「安心」。泣いて伝えてくる「こうしてほしいな」に応じていくことで、快の感情が育っていきます。

そして、おむつを替えるときに「すっきりしたね、気持ちいいね」と声をかけたり、「おむつ替えるね」と言葉をかけること。

それも、とっても大事なことです。

🌿 この記事でわかること

  • 0歳からできるのは、「気持ちいい」を知ってもらうこと
  • なぜ、それが性教育なの?
  • からだを洗うときも、おむつを替えるときも
  • おちんちんを触っていても、大丈夫です
  • 大人のほうが、知っておきたいこと

0歳からできるのは、「気持ちいい」を知ってもらうこと

赤ちゃんは、泣いて知らせます。

おなかがすいた。おむつが気持ち悪い。暑い。さみしい。——不快です。

それを、快に変えていく。これが、0歳からできることです。

難しいことではありません。

  • 抱っこする
  • 気持ちのいいマッサージや、お手当をする
  • スキンシップをとる

そして——お母さんが応答してくれる。それだけで、赤ちゃんは安心します。

泣いたら来てくれる。触れてくれる。声をかけてくれる。そのくり返しのなかで、赤ちゃんは「気持ちいい」がどういうことかを知っていきます。

なぜ、それが性教育なの?

ここが、いちばんお伝えしたいところです。

気持ちいいを知っていると、そうでないときに気づけるからです。

いつか、お子さんが大きくなって——何か嫌なタッチをされたとき。

「気持ちいい」を知っている子は、「これは、ちがう」と気づけます。そして、「嫌だ」と言えるようになります。

こども家庭庁が専門職向けに出している手引きにも、同じことが書かれています。[1]

自分の身体を誰かに見られたり、触られたりしたときに、子どもが「なんか変だ」と気づくきっかけにもなりえます

「なんか変だ」と気づくためには、「いつもの、気持ちのいい感じ」を知っていないといけません。

その土台をつくっているのが、いまの抱っこです。

からだを洗うときも、おむつを替えるときも

沐浴やお風呂のときに、性器も洗いますよね。

このときに、「洗うね〜」と声をかけてみてください。

おむつを替えるときも同じです。

「今からおむつ替えるね」「出せてよかったね」「すっきりしたね、気持ちいいね」——そんなふうに声をかけてみること。日頃から、できることです。

こども家庭庁の手引きにも、同じことが書かれています。[1]

オムツ替えや着替え、入浴時など、生活における関わりの中で、身体に触るときは「オムツ替えようね」など、声を掛けながら行う

大切に扱ってもらっていることが分かると、「ここは大切なところ」ということが伝わりやすくなります。

洗い方(女の子)

  • 乳児期は、性器に胎脂が残っていることがあります。胎脂は粘膜を守る役割があるので、奥までこすって落とす必要はありません[1]
  • 尿道口(前)から肛門(後ろ)へ、指の腹でやさしく
  • ゴシゴシこすらない。シャワーやお湯をかけるだけで、十分に洗えます[1]

洗い方(男の子)

  • 包皮を少し寄せて、お湯で流します
  • 石鹸はつけなくて大丈夫です。粘膜に石鹸がつくと、痛がることがあります[1]
  • ただし——無理にむかないでください。戻らなくなって、締めつけてしまうことがあります。寄せるのが難しければ、そのままお湯で流すだけで十分です[1]

どちらも、清潔な手で、やさしく。

赤ちゃんは、言葉が分かる前から、声のかけられ方と、触れられ方で受け取っています。

(沐浴のことは、ワンオペでも大丈夫!赤ちゃんを1人でお風呂に入れる方法と、赤ちゃんのスキンケアの記事もどうぞ。)

おちんちんを触っていても、大丈夫です

おむつを替えているとき、赤ちゃんが自分の性器を触っていることがあります。

「これって、大丈夫なのかな」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。

大丈夫です。

0歳の赤ちゃんにとっては——手を伸ばしたら、そこにあった。それだけのことです。

手や足を見つけて、しゃぶったり、じっと見たりするのと同じ。からだへの興味です。

やめさせなくて大丈夫ですし、叱る必要もありません。

大人のほうが、知っておきたいこと

0歳の赤ちゃんに「ここは大切なところだよ」と教えても、まだ分かりません。

でも——大人が知っておくことはできます。

こども家庭庁の手引きでは、プライベートゾーンをこう説明しています。[1]

自分の身体の大切なところで、必要な場合をのぞいて誰かが自分の同意なく見たり触ったりしてはいけないところ。具体的には、「水着で隠れる部分(胸、おしり、性器)と口」

赤ちゃんのからだも、赤ちゃんのものです。

いま覚えていただかなくても大丈夫です。ただ、「ここは大切なところ」と思って触れること——そこから始まるのかなと思います。

宮崎で、相談したいときに

おちんちんの洗い方など、気になることがありましたら——ケアの際に、ぜひお聞きください。

「ここ、どう洗えばいいですか」——そういうご質問で大丈夫です。

もあな助産院では、ケアのときに育児のご相談もお受けしています。宮崎市・西都市・高鍋町を中心に、出張でのケアもしています。

まとめ

  • 0歳からできる性教育は、「気持ちいい」を知ってもらうことです。抱っこ、マッサージ、お手当、スキンシップ。お母さんが応答してくれるだけで、赤ちゃんは安心します
  • なぜそれが性教育かというと——気持ちいいを知っていると、嫌なタッチに気づいて「嫌だ」と言えるようになるからです
  • 洗うときも、おむつを替えるときも、「洗うね〜」「今からおむつ替えるね」「すっきりしたね、気持ちいいね」と声をかけてから。大切に扱ってもらっていることが分かると、「ここは大切なところ」が伝わりやすくなります
  • 女の子は、胎脂は落とさなくて大丈夫。前から後ろへ、ゴシゴシしない
  • 男の子は、包皮を少し寄せてお湯で流す。石鹸はつけなくていい。無理にむかない
  • おちんちんを触っていても大丈夫。手を伸ばしたらそこにあった、という興味です
  • プライベートゾーンは「水着で隠れる部分(胸・おしり・性器)と口」。赤ちゃんはまだ分かりませんが、大人が知っておくことから

特別なことをしなくて大丈夫です。いまの抱っこが、もう始まりです。

参考文献・補足

  • [1] こども家庭庁「乳幼児期の性に関する情報提供 保健師や親子に関わる専門職のための手引き」。プライベートゾーンの説明、子どもの身体や性器の洗い方のポイント。
  • 本記事は、上記および助産師としての臨床経験をもとに作成しています
  • 性器のことで、赤み・腫れ・痛み・においなど気になることがあるときは、小児科や小児外科でご相談ください

投稿者プロフィール

松田ゆかり
もあな助産院(宮崎市)院長。2003年に助産師免許を取得し、20年以上にわたり地域のお母さんと赤ちゃんに寄り添ってきました。もあな助産院は2012年に開業。乳房ケア(BSケア)・産後ケア・クレニオセイクラルセラピーなどを通して、母子のケアを行っています。「お母さんと赤ちゃんが安心して妊娠・出産・産後を過ごせるように。そして、おふたりがもともと持っている力を、しっかり発揮できるように——そんなケアを心がけています。」