保育園入園前、哺乳瓶を飲まない…確認しておきたいこと|宮崎・もあな助産院

「保育園が決まったけれど、哺乳瓶を飲んでくれない」

「復職までに、飲めるようにしないと」

「何度やっても、泣いてしまう」

——そんなふうに、困っていませんか。

仕事復帰を控えた方から、よくいただくご相談です。

この記事は、保育園への入園と、仕事復帰を控えている方に向けて書いています。

先に、立ち位置をお伝えしておきますね。

これは「哺乳瓶を飲めるようにする方法」の記事ではありません。お伝えしたいのは、保育園に入る前に確認しておくことと、おうちでできることです。

というのも——そもそも、哺乳瓶じゃないといけないのかな。そこから考えてみたいからです。

🌿 この記事でわかること

  • そもそも、哺乳瓶じゃないといけない?
  • どうして、飲まなくなるのでしょう
  • 入園が決まったら、園に確認すること
  • 月齢で、必要なものが変わります
  • おうちでできること
  • 無理に練習しなくて大丈夫です

そもそも、哺乳瓶じゃないといけない?

「哺乳瓶が飲めないと、保育園で困る」——復帰の日が決まっていると、なおさらそう思って、練習を続けていらっしゃる方は多いです。

でも、飲み方は哺乳瓶だけではありません。

大阪市が保育施設向けに出している資料の中に、「離乳食についての調査票(0・1歳児クラス用)」という書式があります。入園のときに保護者が書いて出すものです。そこに、こんな項目があります。[1]

水分補給の方法  哺乳瓶 ・ スパウト ・ ストロー ・ コップ

園に出す書類のほうが、はじめから4つの選択肢を用意しているんです。

つまり——「哺乳瓶で飲めること」は、前提になっていません。

(これは大阪市の資料です。宮崎の園が同じとは限りませんので、入園される園に確認してくださいね。)

私の考え

1歳を過ぎているなら、ミルクを哺乳瓶で飲む必要はないと考えています。

1歳未満の場合も、哺乳瓶でなくてもよいのではないかと思っています。ただ、ここは園によりますので、確認していただきたいところです。

どうして、飲まなくなるのでしょう

おっぱいをよく飲んでいる赤ちゃんが、哺乳瓶を受けつけなくなることがあります。「哺乳瓶拒否」と呼ばれることもあります。

でも——拒否しているわけでも、わがままでもありません。

おっぱいが大好きなんです。そして、おっぱいの感触をよく知っているぶん、哺乳瓶の乳首を「飲むもの」として受け取っていないのだと思います。

飲むものはおっぱい——赤ちゃんの中で、そう決まっているのかもしれませんね。

そしてもうひとつ、飲み方そのものがちがうということがあります。

おっぱいと哺乳瓶では、舌の使い方がちがいます。哺乳瓶をくわえても、レロレロと舌を動かすばかりで、飲まない・飲めない——そういうこともあります。舌をどう使えばいいのか、分からないのかもしれません。

(反対に、哺乳瓶に慣れておっぱいを吸いにくくなることもあります。そちらは乳頭混乱の記事にまとめています。)

入園が決まったら、園に確認すること

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

練習を始める前に、園に聞いてみてください。聞いてみたら心配がいらなかった、ということもあります。

復帰前は、やることがたくさんあります。聞けば済むことに、時間を使わなくて大丈夫です。

  • そもそも、ミルクは必要ですか?
  • 哺乳瓶でないといけませんか?
  • コップやスプーンで飲ませてもらうことはできますか?
  • 牛乳は出していますか? 出しているなら、いつからですか?
  • 慣らし保育は、どう進めますか?

「こんなこと聞いていいのかな」と思われるかもしれませんが、園は毎年たくさんの赤ちゃんを迎えています。よくある質問だと思います。

月齢で、必要なものが変わります

1歳を過ぎている場合

ミルクを哺乳瓶で飲む必要はないと考えています。食事とお茶、そして牛乳という選択肢もあります。

牛乳を飲みものとして与えるのは、1歳を過ぎてからとされています。[1][2]

ただし——園で牛乳を出しているか、いつから出しているかは、園によります。ここも確認してください。

離乳食が進んでいる場合

離乳食が進んでいれば、離乳食とお茶で足りることもあります。

お子さんの離乳食の進み具合を園に伝えると、園のほうで考えてくださると思います。

コップについて

公的な資料では、コップの練習は生後9か月前後からと案内されています。お茶などを少し入れて、大人が手を添えて持たせます。コップは持ち手つきの、軽くて割れにくいものを選びます。[1]

おうちでできること

「練習」ではなく、試してみるくらいの気持ちでどうぞ。

お母さん以外の方に、あげてもらう

お母さんが近くにいると、赤ちゃんはおっぱいが分かります。

ご主人やご家族にお願いして、お母さんが別の部屋にいるときに試してみると、飲むことがあります。

コップやスプーンを、生活の中で

練習の時間をつくらなくて大丈夫です。

お風呂あがりのお茶のときに、少し使ってみる——そのくらいで十分です。

うまくいかなくても

試して飲まなくても、それは分かったことです。

「コップなら少し飲みました」「スプーンは口を開けました」「哺乳瓶は泣いてしまいました」——そのまま園に伝えてください。園にとっては、どれも大事な情報です。

無理に練習しなくて大丈夫です

ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。

哺乳瓶で飲ませる練習を、無理に進めなくて大丈夫です。

理由が2つあります。

ひとつめ。おなかがすけば飲む赤ちゃんもいます。おうちでは飲まなかったのに園では飲んだ、ということもあります。

ふたつめ。保育士さんは、そのプロです。これまでにも、同じような赤ちゃんに何人も会っていらっしゃるはずです。飲ませ方も、代わりの方法もご存じです。

ですから——おうちだけで、なんとかしようとしなくて大丈夫です。園と相談しながらで、いいと思います。

宮崎で、相談したいときに

もあな助産院では、仕事復帰を控えた方のご相談もお受けしています。「哺乳瓶を飲まないのですが、どうしましょう」——そういうご相談で大丈夫です。

赤ちゃんの飲み方や離乳食の進み具合を見ながら、園に何を聞いておくとよいかを一緒に整理できたらと思います。授乳を続けるかどうかなど、復帰に向けたおっぱいのこともご一緒に考えられます。

西都市・高鍋町にお住まいの方は、助産師ケア利用券がお使いいただけます。宮崎市などその他の地域の方も、自費でご利用いただけます。

また、宮崎市では離乳食の相談を、来所・訪問・オンライン・電話で受け付けています。離乳食教室もあります。

(園えらびのことは、保育園の選び方の記事にまとめています。)

宮崎市・西都市・高鍋町を中心に、出張でのケアもしています。

まとめ

  • 「哺乳瓶で飲めること」は、前提になっていません。園に出す調査票には「哺乳瓶・スパウト・ストロー・コップ」と4つの選択肢が並んでいます
  • 飲まないのは、拒否でもわがままでもありません。おっぱいが大好きで、哺乳瓶の乳首を「飲むもの」として受け取っていないのだと思います
  • 練習を始める前に、園に聞いてみてください。ミルクは必要か/哺乳瓶でないといけないか/コップやスプーンは可能か/牛乳はいつからか/慣らし保育の進め方
  • 1歳を過ぎているなら、ミルクを哺乳瓶で飲む必要はないと考えています。牛乳を飲みものとして与えるのは1歳を過ぎてからとされています
  • おうちでは、お母さん以外の方にあげてもらう/コップやスプーンを生活の中で。飲まなくても、それは分かったことです
  • 無理に練習しなくて大丈夫です。おなかがすけば飲む赤ちゃんもいますし、保育士さんはそのプロです

復帰前に、ひとりで抱えなくて大丈夫です。園と一緒に考えていけますよ。

参考文献・補足

  • [1] 大阪市こども青少年局 保育施策部 保育企画課「特定教育・保育施設等における離乳の進め方」(令和3年6月/令和6年6月版)。「離乳食についての調査票(0・1歳児クラス用)」、コップの練習、牛乳の飲用時期に関する記述。大阪市の資料であり、園の対応は自治体や施設によって異なります。
  • [2] 「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」2019年3月(厚生労働省)
  • 本記事は、上記および助産師としての臨床経験をもとに作成しています
  • 入園の準備や園での対応は、自治体・施設によって異なります。必ず入園される園にご確認ください

投稿者プロフィール

松田ゆかり
もあな助産院(宮崎市)院長。2003年に助産師免許を取得し、20年以上にわたり地域のお母さんと赤ちゃんに寄り添ってきました。もあな助産院は2012年に開業。乳房ケア(BSケア)・産後ケア・クレニオセイクラルセラピーなどを通して、母子のケアを行っています。「お母さんと赤ちゃんが安心して妊娠・出産・産後を過ごせるように。そして、おふたりがもともと持っている力を、しっかり発揮できるように——そんなケアを心がけています。」