仕事復帰したら、母乳はどうする?続ける場合の進め方|宮崎・もあな助産院
「復帰までに、やめないといけないのかな」
「日中あげられないけど、続けられるの?」
「職場で搾るなんて、できるのかな」
——仕事復帰が決まって、おっぱいのことを考えていませんか。
この記事は、仕事復帰を控えていて、母乳を続けたいと思っている方に向けて書いています。
先にお伝えしておくと——続けている方は、たくさんいらっしゃいます。
🌿 この記事でわかること
- 復帰しても、続けている方は多いです
- 慣らし保育に合わせて、減らしていきます
- 最初の2週間は、張りやすいです
- 「育児時間」という制度があります
- しこり・乳腺炎に気をつけたい時期です
- 赤ちゃんのほうは、どうなる?
復帰しても、続けている方は多いです
朝と夜。そして休みの日は、欲しがったら。
そんなふうに続けていらっしゃる方は、多いと思います。
日中あげられないから全部やめないといけない、ということはありません。飲む回数が減っても、おっぱいは続けられます。
私の考え
お仕事や体の状況で、続けることが難しい方もいらっしゃいます。そこは、それぞれのご事情です。
そのうえで申し上げると——私は、続けることをおすすめしています。
日中離れている時間があるからこそ、朝と夜の授乳の時間が、お子さんにとってもお母さんにとっても大事なものになると思うからです。
そしてもうひとつ。保育園に通いはじめると、まずはその環境に慣れていく時期があります。発熱したり、鼻水が出たりすることもあります。
食欲が落ちてしまっても、母乳なら飲んでくれる——そういうこともあります。母乳には免疫の成分も含まれていますので、体調を崩しているときの支えになってくれると思います。
やめるか迷っているときは
復帰を機に、断乳を考えていらっしゃる方もいると思います。
ひとつだけお伝えしておくと——入園と断乳が重なると、お子さんにとってはダブルショックになることもあります。
保育園に入ったばかりのころは、見知らぬ場所で毎日精一杯です。できれば入園して、心と体が落ち着いてからのほうがよいかなと思っています。
(やめ方のことは、卒乳・断乳の記事にまとめています。)
慣らし保育に合わせて、減らしていきます
復帰の前に、一気に減らさなくて大丈夫です。
多くの園では、入園後に慣らし保育の期間があります。預ける時間が、少しずつ長くなっていきます。
その時間に合わせて、授乳を減らしていきます。
預ける時間が短いうちは、まだ飲める回数があります。時間が延びるにつれて、日中の授乳が自然に減っていきます。
乳房も最初は張りますが、だんだんお母さんの体も、それに合わせて慣れていきます。
最初の2週間は、張りやすいです
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
復帰してからの最初の2週間くらいは、おっぱいが張りやすいと思います。
体は、まだそれまでの回数で母乳を作っています。急に飲む回数が減ると、たまってしまうんですね。
厚生労働省の資料にも、こう書かれています。[1]
出産後は、授乳をしない間にも身体が母乳を作り続けるため、職場復帰などで授乳回数が減った場合、母乳が溜まって乳房が張ってくることがあります。
お仕事の日は、こうされています
搾らなくても過ごせそうであれば、搾らずに、帰ってからお子さんに飲んでもらいます。
張って苦しいときは——タオルなどを持っていって、休憩時間に搾っていただいています。
全部搾りきる必要はありません。目安は——お母さんが少し楽になって、夕方の授乳まで何とかなりそうなところまで。
(搾り方は、BSケアの「お母さんとご家族へ」のページで、イラストや動画で見ることができます。)
搾るのが難しいときは
職場によっては、場所も時間も取りにくいことがあります。
そういうときは——復職の前に、ご相談ください。
いまの授乳の様子や、おっぱいの張り方をお聞きして、どうするかを一緒に考えます。お一人おひとりちがいますし、始まってから困るより、先に考えておけることがあります。
搾ったものを持ち帰ることについて
保育園で搾母乳を飲ませてもらえるなら、母乳バッグに保存して持ち帰るという方法もあります。
ただ、保冷剤や保冷バッグの準備が必要ですし、衛生面でどうかなと思う部分もあります。園に確認したうえで、ご無理のない範囲で考えていただけたらと思います。
「育児時間」という制度があります
ご存じない方が多いのですが、働きながら授乳する人のための制度があります。
育児時間といいます。労働基準法で決まっているもので、1歳になっていないお子さんを育てている女性が申し出ると、1日2回、それぞれ30分以上——お昼休みなどの休憩時間とは別に、時間をもらえます。
もともとは、赤ちゃんのところへ行って授乳するために作られた時間です。
そして——この時間を、搾るために使ってかまいません。厚生労働省のリーフレットに、こう書かれています。[1]
育児時間(労働基準法第67条)
生後1年に達しない子を育てる女性が請求した場合は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を与えなければなりません。(搾乳の時間も育児時間に含むことができます)
つまり——「職場で搾るための時間がほしい」と申し出てよいということです。
「うちには搾る場所がない」と思われるかもしれませんが
同じリーフレットには、場所の作り方も書かれています。こんな形でよいそうです。[1]
- 女性用の休養室などの一角を、パーティションやカーテンで仕切ってもらう
- あまり使われていない部屋を予約制にして、内側から鍵をかけて使わせてもらう
「そんな部屋、うちにはないです」と思っても——仕切りがあって、鍵がかかれば、それでよいということですね。
このリーフレットは事業主向けに作られたものです。職場にお願いするとき、「こういうものがあります」とお見せすることもできます。
制度のことを聞きたいときは
育児時間については、お住まいの都道府県の労働局が問い合わせ先になっています。
宮崎は——宮崎労働局 雇用環境・均等室。受付は平日の8時30分〜17時15分です。[1]
しこり・乳腺炎に気をつけたい時期です
復帰したあとにご相談に来られる方で、多いのがこれです。
- 乳管の流れが滞って、しこりができた
- 乳腺炎になった
- 断乳のタイミングをどうしよう
厚生労働省の資料にも、乳房の張りを放置した場合、「乳腺炎になり、痛みや熱が出ることがある」「母乳の量が減ってしまう」といった可能性があると書かれています。[1]
ですので——張ったまま我慢しないでください。おかしいなと思ったら、早めにご相談くださいね。
(乳腺炎かも?最初の24時間でやることの記事と、おっぱいが張って痛い・しこりの記事もどうぞ。)
赤ちゃんのほうは、どうなる?
保育園やこども園に行きはじめたあとの、お子さんの様子もさまざまです。
夜に起きるようになるお子さんもいれば、疲れて寝てしまうお子さんもいます。
ただ、共通して言えることがあります。
保育園やこども園は、慣れない生活です。そして慣れたとしても、やっぱりがんばって帰ってきます。
だから——帰ってきたときに授乳したり、抱っこしたり、スキンシップをたくさんして、「がんばったね」と声をかけてくださいね。
哺乳瓶のことで困っているときは
「哺乳瓶を飲んでくれないのですが」——これも、よくいただくご相談です。
そもそも哺乳瓶じゃないといけないのか、というところから考えられます。保育園入園前、哺乳瓶を飲まないときの記事にまとめていますので、あわせてどうぞ。
宮崎で、相談したいときに
もあな助産院では、仕事復帰を控えた方のご相談をお受けしています。
いまの授乳の回数、おっぱいの張り方、復帰後の生活——うかがいながら、その方に合った進め方を一緒に考えられたらと思います。「続けたいけれど、できるかな」というところからで大丈夫です。
復帰したあとに、しこりや痛みが出たときも、どうぞ。
西都市・高鍋町にお住まいの方は、助産師ケア利用券がお使いいただけます。宮崎市などその他の地域の方も、自費でご利用いただけます。
宮崎市・西都市・高鍋町を中心に、出張でのケアもしています。
まとめ
- 朝と夜、休みの日は欲しがったら——そんなふうに続けている方は多いです。私は、続けることをおすすめしています
- 入園と断乳が重なると、お子さんにはダブルショックになることも。できれば落ち着いてから
- 復帰前に一気に減らさなくて大丈夫。慣らし保育の時間に合わせて減らしていきます
- 最初の2週間くらいは張りやすいです。タオルを持っていって、休憩時間に——少し楽になって、夕方の授乳まで何とかなりそうなところまで搾ります
- ⭐「育児時間」という制度があります。1歳になっていないお子さんを育てている女性は、休憩とは別に1日2回・各30分以上。搾るために使ってかまいません
- 搾乳室は専用の個室でなくてかまいません。カーテンで仕切る形でも可、と国の資料にあります
- 張ったまま我慢しないでください。しこりや乳腺炎で来られる方が多い時期です
- 園に行きはじめたあとの様子もさまざまです。夜に起きるようになるお子さんもいれば、疲れて寝てしまうお子さんも。帰ってきたら、たくさんスキンシップをして「がんばったね」と声をかけてください
続けたい気持ちがあるなら、その気持ちのまま、ご相談ください。
参考文献・補足
- [1] 厚生労働省 雇用環境・均等局/都道府県労働局「事業主の皆さまへ 職場に『搾乳室』を作りましょう!」令和5年3月作成(令和5年6月修正)。育児時間(労働基準法第67条)、搾乳室の設置、都道府県労働局の連絡先の記載。
- 本記事は、上記および助産師としての臨床経験をもとに作成しています
- おっぱいの張り方や母乳の量には個人差があります。進め方は、お一人おひとりちがいます
- お勤め先の制度や園の対応は、それぞれ異なります。詳しくは職場・園にご確認ください
投稿者プロフィール
- もあな助産院(宮崎市)院長。2003年に助産師免許を取得し、20年以上にわたり地域のお母さんと赤ちゃんに寄り添ってきました。もあな助産院は2012年に開業。乳房ケア(BSケア)・産後ケア・クレニオセイクラルセラピーなどを通して、母子のケアを行っています。「お母さんと赤ちゃんが安心して妊娠・出産・産後を過ごせるように。そして、おふたりがもともと持っている力を、しっかり発揮できるように——そんなケアを心がけています。」
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