おっぱいが張って痛い・しこりがある…対処法|宮崎市の乳房ケアはもあな助産院へ
産後しばらくすると、「おっぱいがパンパンに張って痛い」「熱を持って苦しい」と感じることがあります。これは多くのお母さんが経験する、母乳がうまく流れ出ずに乳房にたまってしまう状態です。
一般には「うつ乳(うつにゅう)」と呼ばれることもありますが、医学的には「乳汁うっ滞(にゅうじゅううったい)」といいます。また、もあな助産院が大切にしているBSケアでは、母乳が流れにくくなっている状態を「乳汁流出困難・乳汁流出低下」と表現します。この記事では、わかりやすく「おっぱいの張り(乳汁うっ滞)」として解説していきます。
おっぱいの張りはつらいものですが、正しく対処すれば多くの場合やわらげることができます。この記事では、原因とおうちでできるケア、そして「こんなときは相談を」というサインを助産師がやさしく解説します。

おっぱいの張り(乳汁うっ滞)とは?
おっぱいの張り(乳汁うっ滞)とは、つくられた母乳が乳房の中にたまり、うまく流れ出ずに張ってしまう状態のことです。乳房が硬くパンパンになり、痛みや熱っぽさをともなうことがあります※1。
特に起こりやすいのは、次のようなタイミングです。
- 産後3〜5日ごろ:母乳の分泌が一気に増える時期(「乳汁来潮(にゅうじゅうらいちょう)」)
- 授乳の間隔があいたとき(赤ちゃんがよく寝た日など)
- 赤ちゃんがうまく飲みとれていないとき
- 卒乳・断乳の途中
この状態を放っておくと、乳腺に炎症が起きる「乳腺炎(にゅうせんえん)」に進んでしまうこともあります。早めのケアが大切です。
乳汁うっ滞と乳腺炎のちがい
「ただの張り」なのか「炎症」なのかを見分ける目安です。不安なときは無理に自己判断せず、助産師や医師に相談してください※2。
| 状態 | 主な症状 |
|---|---|
| 乳汁うっ滞(おっぱいの張り) | 乳房全体の張り・硬さ・軽い痛み。熱感はあっても発熱は基本なし |
| 乳腺炎 | 一部が赤く腫れて強く痛む・38度以上の発熱・体のだるさ・寒気 |
38度以上の発熱・赤い腫れ・強い痛み・寒気などがあるときは、乳腺炎が疑われます。早めに受診・相談しましょう。
おうちでできるケア
おっぱいの張りをやわらげるために、いちばん大切なのは乳腺の流れをよくすることです。たまっていた乳汁がスムーズに流れ出すと、おっぱいは自然と楽になっていきます。
痛いところやしこりを、つい強く押してしまうお母さんは少なくありません。けれど、流れがよくならないかぎり、しこりや痛みは続いてしまいます。
大切なのは「押すこと」ではなく、乳管の出口から母乳がしっかり出るようにすること。流れがよくなれば、しこりも痛みも少しずつやわらいでいきます。強く揉むのはかえって逆効果になりますので、避けましょう。
流れをよくするために、お家でできるケアが2つあります。
① 赤ちゃんに頻回に飲んでもらう
最も効果的なのは、赤ちゃんに頻回に飲んでもらって乳房を空にすることです。時間を決めず、赤ちゃんが欲しがるタイミングでこまめに授乳しましょう※2。
赤ちゃんも、いつもと違うおっぱいの様子を感じとって、引っ張ったり、噛んだりしながら、おっぱいが元気になるように一生懸命がんばってくれています。ときに「痛い!」と感じることもありますが、赤ちゃんなりにお母さんを助けようとしているのですね。
② 授乳前の「クチュクチュ」と、つらいときの排乳
授乳の前に、NPO法人BSケアの赤ちゃんの吸い方(吸啜)にならった「魔法のクチュクチュ」を行ってから飲ませると、母乳が流れやすくなります。授乳したあともまだ楽にならないときは、流れが低下している腺から排乳(母乳を出す)とよいでしょう。
具体的なやり方は、こちらの動画でご覧いただけます。動画の後半で「おっぱいが痛いときのセルフケア」が紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。
👉 NPO法人BSケア「お母さんへ」セルフケア動画を見る
(ページ後半で「おっぱいが痛いときのセルフケア」が紹介されています)
あわせて気をつけたいこと:できれば冷やさない
つらいとき、つい冷やしたくなりますが、冷やすとその部分の流れが低下してしまうことがあります。いちばんの解決方法は、あくまでその腺の流れをよくすることです。
温めてみるのはよいのですが、流れていかないと、かえって痛みが増す可能性もあります。温めること自体が目的ではなく、「流れをよくする」ことを意識してケアしましょう。
あわせて気をつけたいこと:しめつけない・休む
きつい下着やワイヤーブラは乳房をしめつけ、母乳の流れをさまたげることがあります。ゆったりした授乳ブラを選びましょう。
また、疲労やストレスも張りを悪化させる要因です。できるだけ体を休めてください。
セルフケアをしてもよくならないときは、できるだけ早く助産院や母乳外来に相談しましょう。
もあな助産院でも乳房ケアを行っています。ひとりで抱え込まず、お気軽にご連絡ください。
食事で気をつけたいこと
「特定の食べ物が乳汁うっ滞を直接引き起こす」という強い科学的根拠は限られていますが、脂肪分や糖分のとりすぎは控えめにし、胃に負担をかけないようにして水分をしっかりとることが、体調を整えるうえで役立ちます。バランスのよい食事を心がけましょう。
こんなときは助産院・医療機関へ
次のようなときは、自己対処だけで様子を見ず、早めに相談してください。
- 38度以上の発熱がある
- 乳房の一部が赤く腫れて、ズキズキ強く痛む
- 寒気・関節の痛み・体のだるさがある
- セルフケアをしても翌日によくならない、しこりが大きくなる、痛みをともなうとき(早めにご相談ください)
- 乳首が痛くて授乳できないとき(傷がなくても、乳汁の流れが低下すると乳頭の痛みが生じることがあります)
乳首の痛みは「傷があるから」とはかぎりません。傷がなくても、乳汁の流れが低下すると乳頭に痛みが出ることがあります。そのようなときは、すぐに助産院にご相談ください。時間がたつほど、乳汁の流れが回復するまでに時間がかかってしまうことがあります。
とくに、24時間たっても38度以上の熱が続いているときや、発熱を繰り返しているときは、乳腺炎が進んでいる可能性があります。その場合は、助産院だけでなく病院(産婦人科・乳腺外来など)を受診しましょう。抗菌薬などの治療が必要なこともあります。
助産院では、お母さんの乳房の状態に合わせた乳房ケア(BSケアなど)を受けることができます。BSケアは赤ちゃんの吸い方にならった、やさしく痛みの少ないケアで、乳房の張りをやわらげ、母乳の流れを整えるのに役立ちます。もあな助産院でもご相談を受け付けていますので、つらいときはひとりで抱え込まず、お気軽にご連絡ください。
全国にBSケアプレゼンターの窓口があります。お悩みの方はNPO法人BSケアのプレゼンター®紹介窓口をご覧ください。
まとめ
おっぱいの張り(乳汁うっ滞)は、多くのお母さんが通る道です。あわてず、次のことを心がけましょう。
- いちばんの対処は「こまめに授乳する」
- 魔法のクチュクチュをしてから授乳してみましょう。
- ブラジャーなどでしめつけない。
- できるだけからだを休める
- しこりのある部分を強く揉まない
- 発熱・赤み・強い痛みがあれば早めに相談
つらい張りも、適切なケアで必ず楽になります。困ったときは、もあな助産院がそばでサポートします。
母乳・授乳のお悩みはもあな助産院へ
「おっぱいが張ってつらい」「母乳が足りているか不安」「授乳が痛い」など、ひとりで悩まないでください。もあな助産院では、赤ちゃんの吸い方にならったやさしい乳房ケア(BSケア)でサポートします。
参考文献
- World Health Organization (WHO). Mastitis: Causes and Management. 2000.
https://www.who.int/publications/i/item/WHO-FCH-CAH-00.13
(乳房のうっ滞・乳腺炎の原因と管理・乳汁の流れを保つことの重要性) - NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC). 母乳育児情報.
https://jalc-net.jp/breastfeeding/information/
(頻回授乳の重要性・うっ滞時のケア・強いマッサージを避けること) - 厚生労働省.「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」.
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
(授乳期の支援・乳房トラブルへの対応)
