台風が来る前に!赤ちゃんのいる家庭の直前準備と停電時の授乳|宮崎・もあな助産院

「台風が近づいてるけど、赤ちゃんがいる家は何を準備すればいいの?」
「停電したら、ミルクはどうやって作ればいい?」

宮崎で暮らしていると、毎年必ずやってくる台風。テレビで進路予想を見ながら、赤ちゃんを抱っこして不安になっているお母さん、いませんか?

台風は、地震とちがって「来るとわかってから準備できる災害」です。だからこそ、直前の2〜3日でできることがたくさんあります。この記事では、宮崎で助産院を開業している助産師が、台風が来る前の準備と、停電・断水したときの赤ちゃんのお世話についてお伝えします。

(ふだんからの備え全般——持ち出し品リストや避難所のことは、妊娠中・産後の防災対策の記事にまとめています。あわせてご覧ください。)

🌿 この記事でわかること

  • 台風接近の2〜3日前〜当日にやることリスト
  • 停電したときの授乳・ミルクの作り方
  • 断水・停電時の赤ちゃんのお世話(おふろ・暑さ対策)
  • 避難するかどうかの考え方

台風の2〜3日前にやること

進路予想で「宮崎に近づきそう」とわかったら、早めに動き始めましょう。台風前日はスーパーやホームセンターが混み合い、水や電池が売り切れることもあります。

  • 飲料水を多めに確保——大人は1人1日3リットルが目安(飲み水だけでなく、料理に使う分も含めた量です)。ミルクの赤ちゃんがいる家庭は、調乳用の水も忘れずに。ミルクは、できあがりの量とほぼ同じ量のお湯を使うので、「赤ちゃんが1日に飲む量×3日分」(例:1回200ml×5回なら、1日約1リットル×3日分)を目安に多めに用意しておくと安心です
  • おむつ・おしりふき・ミルクの残量チェック——「あと3日分しかない」なら買い足しを。1週間分あると安心です
  • 液体ミルクの用意——お湯がなくてもそのまま飲ませられます。母乳育児の方も、非常用に少し持っておくと安心です(詳しくは後ほど)
  • スマホ・モバイルバッテリーを満タンに——停電すると情報源はスマホだけになります
  • カセットコンロとガスボンベの確認——停電してもお湯が沸かせます。調乳・湯せんに大活躍します
  • 車のガソリンを満タンに——停電時の冷房・スマホ充電・移動手段になります
  • お風呂の残り湯をためておく——断水したときのトイレ用に(※飲み水・調乳には使いません)
  • 常備薬・母子健康手帳・保険証をひとまとめに——すぐ持ち出せる場所へ

台風当日にやること

  • 窓から離れた部屋で過ごす——赤ちゃんの寝る場所も、窓ぎわから離して
  • 冷蔵庫は開け閉めを最小限に——停電しても、閉めたままなら数時間は冷たさが保てます
  • 停電前に保冷剤・ペットボトル氷を作っておく——停電したときに、クーラーボックスで食材や飲み物、冷凍母乳などを冷やしておくためです
  • お風呂・沐浴は早めに済ませる——夜に停電・断水することも多いです
  • 避難情報をこまめにチェック——「Yahoo!防災速報」などの防災アプリを入れておくと、避難情報が届きます。自宅の危険度はハザードマップポータルサイト(国土交通省)で住所を入れて確認できます

停電したら:授乳・ミルクはこうする

実は私の住む佐土原でも、突風で停電して、復旧まで丸1日かかったことがあります。宮崎では、大きな被害までいかなくても、台風のたびに停電はときどき起こるもの。だからこの記事では、停電への備えを中心にお伝えしています。

いちばん心配な「赤ちゃんのごはん」。落ち着いて対応すれば大丈夫です。

母乳育児の方へ

災害時も、授乳を続けましょう。 母乳は、衛生的にもいちばん安心な、赤ちゃんの栄養です。清潔な水も、電気も、いりません。停電しても、いつもどおりあげられます。

災害時は緊張や不安、疲れで、一時的に母乳の出が悪くなったように感じることがあります。それでも、やめずに吸わせ続けてくださいね。赤ちゃんが吸う刺激で、母乳はまた作られていきます。

避難先など、人目のある場所でも授乳を続けられるように、授乳ケープ(大きめのストールやバスタオルでも代用できます)を準備しておくと安心です。

お母さん自身の水分と食事、そして少しでも休むことも忘れずに。

ミルク・混合の方へ

カセットコンロがあれば、いつもどおり調乳できます。 70℃以上のお湯で作る、という基本は停電時も同じです。

お湯が沸かせず、液体ミルクをお持ちの場合は使いましょう。

  • 常温のまま、そのまま飲ませられます(温めなくても大丈夫)
  • 開けたら飲み残しは捨てる——もったいなくても、雑菌が増えるので取っておかない
  • 賞味期限があるので、ふだんから外出時などに使って入れ替える(ローリングストック)のがおすすめ

哺乳びんが洗えないときは、清潔な紙コップで、少しずつ飲ませる方法もあります(カップフィーディング)。赤ちゃんの下くちびるにコップのふちを軽く当てて、赤ちゃんが自分のペースで飲めるように、少しずつ傾けます。あせらず、ゆっくりで大丈夫です。

断水・停電時の赤ちゃんのお世話

  • おふろに入れなくても大丈夫——おしりふきや、ぬらしたタオルで顔・首・わきの下・おまた・手足を拭くだけで十分です。数日おふろに入れなくても、赤ちゃんの健康に影響はありません
  • 夏の停電は、暑さ対策を最優先に——赤ちゃんは体温調節が苦手です。服を1枚減らす、ぬらしたタオルで体を拭く、うちわであおぐ、家の中のいちばん涼しい場所で過ごす、車の冷房を使う(※車内に赤ちゃんだけを残すのは絶対にしない)
  • おしっこの回数をチェック——暑い時期の停電では、赤ちゃんの脱水に注意。おしっこの回数がいつもより減っていたら、水分(母乳・ミルク)をこまめに
  • おむつが足りなくなったら——タオルやレジ袋で代用する方法もありますが、まずは買い足しと備えで「足りなくならない」ことがいちばんです

避難する?しない?の考え方

「赤ちゃんを連れて避難所に行くのは大変…」と、ためらう気持ち、よくわかります。

  • ハザードマップで自宅の危険度を確認——浸水や土砂災害の危険がある場所なら、早めの避難を。赤ちゃん連れの移動は時間がかかるので、「避難指示が出てから」ではなく明るいうちに、早めに
  • 自宅が安全な場所なら「在宅避難」も選択肢——無理に避難所に行かず、備えを整えて自宅で過ごす方法です
  • 避難先は避難所だけじゃない——安全な地域の実家・親戚・友人の家に、台風が来る前から移動しておく「事前避難」も、赤ちゃん連れにはおすすめです

台風が過ぎたあとも

台風のあと、疲れがどっと出るのはお母さんです。停電の中でのお世話、眠れない夜——本当におつかれさまでした。

台風のあとに「なんだか疲れが取れない」「おっぱいの調子が悪い」と感じたら、無理せず休んでくださいね。緊張や疲れは、おっぱいトラブルの背景になることもあります。

宮崎で産後の相談をしたい方へ:もあな助産院

もあな助産院(宮崎市佐土原町)では、産後ケア・母乳相談・育児相談を行っています。

「災害への備え、うちの場合はどうしたらいい?」といったご相談も、産後ケアや育児相談の中でお気軽にどうぞ。赤ちゃんの月齢や、母乳・ミルクの状況に合わせて、一緒に考えます。

ご予約:LINEまたはお電話で受け付けています。出張ケアもしています。

→ ご予約・お問い合わせはこちら

まとめ

  • 台風は「来るとわかってから準備できる」災害。2〜3日前から動き始めよう
  • 水・おむつ・ミルク・電池・カセットコンロ。液体ミルクは非常用に心強い
  • 停電しても母乳はいつもどおり。出が悪く感じても、吸わせ続けて大丈夫
  • 液体ミルクは常温でそのまま飲ませてOK。飲み残しは捨てる
  • おふろに入れなくても、拭くだけで十分。夏は暑さと脱水に注意
  • 赤ちゃん連れの避難は「早め」がいちばん。在宅避難・事前避難も選択肢に

ふだんからの備え(持ち出し品リスト・避難所でのことなど)は、妊娠中・産後の防災対策の記事にまとめています。台風シーズンの前に、ぜひ親子で読み返してみてくださいね。


参考文献・補足

  • NHK「災害時の授乳にまつわるウソ?ホント?」 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210324/k10012932951000.html
  • ハザードマップポータルサイト(国土交通省) https://disaportal.gsi.go.jp
  • 本記事は、上記および一般的な防災・母子保健の情報(内閣府・厚生労働省の資料等)を参考に、助産師としての臨床経験をもとに作成しています。
  • 液体ミルクの使い方は、各メーカーの表示に従ってください。

投稿者プロフィール

松田ゆかり
もあな助産院(宮崎市)院長。2003年に助産師免許を取得し、20年以上にわたり地域のお母さんと赤ちゃんに寄り添ってきました。もあな助産院は2012年に開業。乳房ケア(BSケア)・産後ケア・クレニオセイクラルセラピーなどを通して、母子のケアを行っています。「お母さんと赤ちゃんが安心して妊娠・出産・産後を過ごせるように。そして、おふたりがもともと持っている力を、しっかり発揮できるように——そんなケアを心がけています。」