乳頭が痛い・授乳のたびにつらい…原因とケア|宮崎・もあな助産院
「授乳の時間が来るのが、こわい」
「乳首が痛くて、足の指に力が入ってしまう」
「切れて血がにじんでいるのに、飲ませなきゃいけない」
授乳のたびの乳頭の痛み。経験した方にしか分からない、本当につらいものですよね。「母乳をあげたい気持ちはあるのに、痛みで心が折れそう」——そんなふうに、ひとりでがんばっているお母さんがたくさんいます。
最初にお伝えしたいことがあります。乳頭の痛みは、あなたの我慢が足りないからでも、頑張りが足りないからでもありません。多くは、ちょっとした原因があって、それを整えると楽になっていくものです。
この記事では、宮崎市で助産院を開業している助産師が、乳頭が痛くなる原因と、おうちでできるケア、相談の目安をお伝えします。
「痛いのが普通」ではありません
「授乳は痛くて当たり前」「みんな我慢している」——そう聞いて、つらいのに頑張り続けている方が少なくありません。
でも、本来、正しく飲めているときの授乳は、強い痛みが続くものではないとされています。
ズキズキ・ヒリヒリした痛みが毎回続くなら、それは「何か整えられるサインがある」ということ。我慢する前に、原因を見てみましょう。
乳頭が痛くなる、よくある原因
1. 浅飲み(あさのみ)
赤ちゃんが乳首の先だけを浅くくわえていると、乳頭がこすれたり、先端に強い圧がかかったりして痛みが出ます。くり返すうちに、亀裂(ひび割れ)ができてしまうこともあります。乳頭の痛みで一番多い原因とも言われます。深くくわえられるように、抱き方やふくませ方を整えると、楽になることが多いです。
2. 乳首や赤ちゃんの口の状態
乳首の形、赤ちゃんのお口の動かし方など、その親子ごとの「飲み方のくせ」が関係することもあります。
3. 亀裂・擦過傷(さっかしょう)
浅飲みなどが続いて、乳首に亀裂(ひび割れ)ができたり、擦過傷(こすれてできる浅い傷)ができたりすると、さらに痛みが強くなります。
4. 白斑(はくはん)
乳頭の先に白い点ができるものです。ピリッとした痛みのこともあれば、その奥が詰まってしまうと激しい痛みになることもあります。
白斑は、母乳(乳汁)の流れが低下することで起きるので、流れがよくなるようにケアすることが大切です。おうちでのケアの順番は、こんなイメージです。
- まず、乳頭の痛みやしこり、白斑以外に気になる症状がないか確認します
- とくに問題がなければ、乳輪・乳頭をやわらかくして、その白斑から母乳が出ているか見てみましょう
- 母乳が出ているのが確認できたら、そのまま授乳してみます
- 母乳が確認できず、しこりや痛みがあるときは、授乳のあとにもう一度ケアをします
痛みやしこりがあるときは、早めにケアすることをおすすめします。無理に針でつついたり、こすって取ろうとするのは避けてくださいね。
5. カンジダ(感染)
カンジダという菌の感染が関係していることもあります。乳頭の発赤や亀裂、灼熱感(ヒリヒリ・ジンジンと焼けるような感じ)が続くときは、その可能性があります。
ひとつの目安として、赤ちゃんのお口の中に「鵞口瘡(がこうそう)」(白い苔のようなもの)がある場合は、お母さんの乳首にもカンジダが起きている可能性があります。赤ちゃんに鵞口瘡が見られるときは、小児科を受診するとよいでしょう。
「これってカンジダかな?」と気になるときは、自己判断せず、助産院や産婦人科にご相談くださいね。
6. 傷がないのに痛い…乳汁の流れの低下・おっぱいの詰まり
「傷もないのに、どうして痛いんだろう?」というときもあります。これは、母乳の流れが低下して、乳頭が硬くなっていることがあるんです。赤ちゃんも「いつものおっぱいと違うな」と舌触りで気づいて、引っぱったり噛んだりして、それでさらに痛むことも。おっぱいが詰まりそうなとき・詰まったときにも、乳頭の痛みが出ることがあります。
おうちでできる、やさしいケア
1. 抱き方・ふくませ方を見直す
深くくわえられると、痛みがやわらぐことがあります。コツは、できるだけ赤ちゃんのほっぺがお母さんの乳房に密着するくらい、赤ちゃんの体もお母さんにぴったり密着させてあげること。体が離れていると、どうしても浅飲みになりやすいんです。
いつも同じ抱き方なら、横抱き・脇抱き(フットボール抱き)など、変えてみるのもひとつです。
くわえ方のくわしいコツは、こちらの記事もご覧ください → 赤ちゃんがうまくおっぱいを吸えない…原因と対応
2. 保湿して、必要なら保護する
乳頭に亀裂(ひび割れ)ができているときは、保湿でケアしましょう。保湿には、ピュアレーン・ランシノー・ラノリンといった羊由来の油(ラノリン)がおすすめです。赤ちゃんがそのまま飲んでも大丈夫なものなので、授乳前にふきとる必要もありません。
また、乳頭がブラジャーや母乳パッドにくっついてしまったり、当たるだけでも痛いときは、ラップで保護する方法もあります。
ただし、ひとつだけ大切な注意が。同じラップをずっとつけっぱなしにすると、そこから菌が増えて、かえって痛みの原因になることがあります。ラップを使うときは、授乳のたびに新しいものに交換してくださいね。
3. 授乳の間隔をあけすぎない/乳輪・乳頭をやわらかくしてから
おっぱいがパンパンに張ってからだと、赤ちゃんが浅飲みになりやすいことがあります。授乳の間隔をあけすぎないようにしましょう。
また、飲ませる前に乳輪・乳頭をやわらかくしておくと、赤ちゃんが深く吸いつきやすくなります。こんなときは、NPO法人BSケア®の「魔法のクチュクチュ」というケアが効果的です(くわしくはBSケアの公式サイトをご覧ください)。
4. 痛みの原因によっては、飲ませ方を工夫する
痛みの原因が「詰まり」や「母乳の流れの低下」のときは、乳輪・乳頭をやわらかくしてから、そちら側を先に飲ませてあげるとよいことがあります。
ただ、原因によって工夫の仕方は変わります。「自分ではよくわからない」というときは、無理に判断せず、助産院や出産した産婦人科に相談してください。
こんなときは、がまんせず相談を
- 授乳のたびに強い痛みがあって、つらい
- 乳首が切れて、血が出ている
- 白斑がなかなか取れない・くり返す
- おっぱいに、しこりや痛みがある。さらに、赤みや発熱をともなうとき(乳腺炎が心配されます。早めにご相談ください)
- とにかく授乳がつらくて、続けるのが苦しい
特に「授乳がつらくて、心が折れそう」というときは、BSケア(乳房ケア)と一緒に、お母さんの気持ちもぜひお聞かせください。「授乳がつらい」その気持ちを大切に受け止めながら、ケアさせていただきますね。
宮崎で授乳の痛みを相談したい方へ:もあな助産院
もあな助産院(宮崎市佐土原町)では、母乳相談・乳房ケア(BSケア)を行っています。
もあな助産院では、BSケアをしながら、まずは「痛みがどうして起きているのか」を一緒に考えさせていただきます。
ケアをして乳輪・乳頭がやわらかくなると、赤ちゃんが深く吸いつきやすくなります。また、母乳の流れが低下していたり、うまく流れていないことで痛みを感じているときは、できるだけ痛みに配慮して、やさしくケアさせていただきます。
そのあと、実際の授乳の様子を見せていただきながら、授乳時の乳頭の痛みについて、ご自宅でできることをお話ししています。
「こんなことで相談していいのかな」と迷わないでくださいね。痛いと感じたら、その時点で早めにご相談ください。早めに整えるほど、傷が深くなる前に、楽になっていけますよ。
料金:初診 4,500円(税込)/再診 3,500円(税込)
所要時間:45〜60分ほど
赤ちゃんと一緒にいらしてください。 授乳の様子を見せていただくことで、より具体的なお話ができます。
ご予約:LINEまたはお電話で受け付けています。出張ケアもしています。
まとめ
- 乳頭の痛みは、我慢が足りないからではありません
- 「授乳は痛くて当たり前」ではなく、整えられるサインのことが多いです
- よくある原因は浅飲み。抱き方・ふくませ方で楽になることもあります
- 切れている・白斑がくり返す・つらいときは、がまんせず相談を
- 「授乳がつらい」その気持ちを大切に受け止めながら、ケアさせていただきます
授乳のたびに痛みと戦っている時間は、本当にしんどいですよね。どうかひとりで抱え込まず、早めに頼ってください。
参考文献
- 改訂版『BSケア®──赤ちゃんの母乳吸啜メカニズムに基づくケア』
