赤ちゃんはいつから目が見える?視力の発達を解説|宮崎市の赤ちゃん相談はもあな助産院へ

「いつから赤ちゃんは目が見えるの?」——これは、助産院でお母さんたちからよくいただく質問のひとつです。

赤ちゃんの目は生まれた瞬間から動いています。でも、大人と同じようには見えていません。視力は生まれた後から少しずつ発達していくものです。今回は、赤ちゃんの視力がどのように育っていくのか、わかりやすくお伝えします。

生まれたての赤ちゃんの「見え方」

新生児の視力はとても低く、目安として約0.01〜0.02程度と言われています。大人の視力検査でいうと、ほとんど見えていない状態です。ぼんやりとした明暗や輪郭はわかりますが、細かいものや遠くのものははっきりとは見えていません。

焦点が合う距離は「約20〜30cm」

新生児の目がもっともよく焦点を合わせられるのは、顔から約20〜30cm程度の距離です。

これはちょうど、授乳やだっこのときのお母さんの顔との距離。生まれながらに「お母さんの顔を見るのに最適な距離」を持って来ているとも言えます。

生まれながらに「顔に似たパターン」が好き

赤ちゃんは生まれた直後から、顔に似た配置のパターンに視線が引き寄せられることがわかっています。「顔と認識している」わけではなく、目・鼻・口が正しい位置に並んだ視覚的なパターンに自然と引き付けられる、というイメージです。

だからお母さんが顔を近づけると、ぼんやりとした視力でもじっと見つめてくることがあります。顔を本当の意味で「認識」するのは、生後2〜3か月ごろから少しずつ発達してきます。

月齢別:視力の発達の目安

お母さんが赤ちゃんに顔を近づけて視線を合わせるイラスト 追視と視力発達

新生児(生後0〜4週ごろ)

明暗・動くものの輪郭はわかりますが、全体的にぼんやり。目の前を動くものをじっと見つめる「注視」のような動きが見られ始めます。お母さんの顔を20〜30cmの距離で見せてあげると、目が動いてくることがあります。

生後1か月

少しずつ焦点が合いやすくなり、視覚の反応が豊かになってきます。

  • 光を感じる:明るい窓や照明の方向に顔や目を向けることがあります。光の方へ自然と目が動くのがわかります
  • 白・黒のコントラストが見やすい:まだ色の識別は未熟なため、白黒模様やはっきりした境界線を好んで見ます
  • 赤などの鮮やかな色に反応し始める:色覚は発達途中ですが、赤は比較的認識しやすいといわれています。原色のはっきりしたおもちゃに目を向けることがあります

この時期の遊び・関わり方

「赤ちゃんは最初から色鮮やかなものがよく見えるわけではありません。生後1〜2か月頃は、白黒や赤・黒などコントラストの強いものの方が見つけやすいんですよ」

  • 赤いおもちゃをゆっくり動かす:鮮やかな赤のおもちゃを目の前でゆっくり動かすと、視線が追うようになることがあります
  • 明るい場所で抱っこする:窓際など自然光がある場所での抱っこが、光への反応を育てます
  • 顔を近づけて話しかける:変わらず顔を近づけて声をかけてあげることが、目と心の発達をいちばん助けます

この時期におすすめの絵本

  • 📖 あかあかくろくろ:赤・黒・白のコントラストがはっきりした絵本。新生児から楽しめ、目で追う練習にも◎
  • 📖 しましまぐるぐる:黒・白・赤を中心とした鮮やかな配色。0か月から反応する赤ちゃんも多い定番です
  • 📖 もいもい:赤ちゃんが好む図形や色を研究して作られた絵本。見つめたり、手足を動かしたりする反応が見られることも

手作りするなら、白い紙に太い黒マジックで丸やしましまを描いたり、顔(目・鼻・口)を大きく描くだけでも、十分赤ちゃんは興味を示しますよ。

生後2〜3か月

「追視(ついし)」が始まります。ゆっくり動くものを目で追えるようになり、あやすとほほえみ返す「社会的微笑」もこの頃から見られます。お母さんの顔をはっきりと認識し始めるのも、この時期です。

大好きなお母さんやパパが視界から見えなくなると、泣いたり声を出して呼ぶようになってきます。「顔が見えなくなった=いなくなった」と感じて不安になるためです。顔をしっかり認識し、愛着が育ってきているサインです。

顔への興味が出てくるこの頃から、📖 「いないいないばあ」の絵本もおすすめです。

生後3〜4か月

色の区別ができるようになってきます。赤・オレンジ・黄色などの鮮やかな色に興味を示し始めます。また、両目でものを見る「両眼視」が発達し、立体感も少しずつわかってきます。

この時期の遊び・関わり方

  • カラフルなおもちゃをゆっくり動かす:赤・オレンジ・黄色などの鮮やかなおもちゃを目の前でゆっくり動かしてみましょう。視線がしっかり追うようになります
  • 鏡を見せる:鏡に映った自分の顔をじっと見つめます。「誰だろう?」と興味津々です
  • 絵本を一緒に見る:カラフルな絵本を近づけて声に出してゆっくり読んであげましょう。目と耳の両方への刺激になります
  • 表情を見せ合う:笑顔を見せると笑い返したり、口を大きく開けると真似しようとすることも。目と顔の発達を楽しく促せます

生後6か月〜1歳

視力が急速に発達する時期です。1歳頃には視力約0.2程度になります。遠くのものにも興味を持ち、指さしが始まります。

3歳頃

視力は0.6〜0.8程度まで発達します。3歳児健診では視力検査も行われます。

6〜8歳頃

視力の発達が完成し、大人と同じ1.0前後の視力になります。この時期までは視力の発達が続くため、視力に関わる異常(斜視・弱視など)は早めの発見がとても大切です。

視力の発達を助ける関わり方

特別な道具は必要ありません。日常のお世話の中でできることを少し意識するだけで、赤ちゃんの視力発達を助けることができます。

  • 顔を近づけて話しかける:授乳・だっこのときにお母さんの顔を近づけてあげましょう(20〜30cm程度)。赤ちゃんは一生懸命お母さんの顔を見ようとします
  • 目をゆっくり左右に動かす:赤ちゃんの顔の前で顔や指をゆっくり動かすと、目で追うようになります(生後1〜2か月頃から)
  • カラフルなおもちゃを見せる:生後3か月頃から、赤・オレンジ・黄色などの鮮やかな色のおもちゃを目の前でゆっくり動かしてみてください
  • 自然光に当たる時間をつくる:外気浴や窓からの自然光は、目の発達にもよい刺激になります

「スマホやテレビをよく見ているけど、いいの?」

発達クラスや助産院でも、よく聞かれる話題です。

「うちの子、スマホをじーっと見てるんです」「テレビから目が離せなくて」——これは赤ちゃんが映像の内容を理解しているのではなく、スマホやテレビの持つ「明るさ・動き・コントラスト」に反応していることがほとんどです。

生後1〜2か月の赤ちゃんは、

  • 明るい光
  • 動くもの
  • コントラストの強いもの

に自然と視線が向きます。スマホもテレビも、これらの条件をすべて満たしているため、目が向きやすいのです。

だからといって、見せた方がいい?

それは別の話です。
赤ちゃんの脳の発達には、

  • 人の顔を見る
  • 表情を見る
  • 声を聞く
  • 抱っこされる
  • やりとりをする

ことがとても重要です。テレビやスマホは一方通行なので、人とのやりとりの代わりにはなりません。日本小児科学会でも、2歳未満はスクリーンタイムを控えることを推奨しています。

赤ちゃんにとって一番の視覚刺激は「お母さんの顔」

実は赤ちゃんにとって、いちばんおもしろい視覚刺激はお母さん・お父さんの顔だと言われています。生後1〜2か月頃は特に、目・口・顔の輪郭をじーっと見ることが増えます。

赤ちゃんの脳は人の顔を見ることで育っていくので、見つめ合ったり話しかけたりする時間を大切にしてあげられるといいですね。」

授乳中にスマホを見てしまうお母さんへ
授乳のときに数秒でも赤ちゃんと目が合う時間があると、赤ちゃんはとてもうれしいですよ

小さなやりとりの積み重ねが、赤ちゃんの心と目の発達を育てていきます。

こんな時は眼科へ相談を

赤ちゃんの視力は健診でも確認しますが、以下のような場合は早めに小児眼科を受診することをおすすめします。

  • 生後2か月を過ぎても、動くものを目で追わない
  • 目が寄って見える・外を向いているなど、目の向きが気になる:生後4か月ごろまでは、一時的に寄り目に見えることはよくあります。目を動かす筋肉がまだ発達途中のためで、多くは自然に落ち着きます。ただし、生後4〜6か月を過ぎても片方の目が常にずれている場合は相談してみてください
  • 目を細める・しきりに眩しそうにする:強い日差しに目を細めるのは自然な反応です。気になるのは、普通の明るさの室内でも常に目を細めている場合や、光を極端に嫌がる場合です。視力の問題や、まぶしさへの感じ方が関係していることがあります
  • 目やに・涙が多い状態が続く

「なんか気になるな」と感じたら、早めにかかりつけの小児科や眼科に相談してください。

色はいつから見えて、いつから言えるの?

「3歳なのに色の名前を間違える、大丈夫?」「いつから色がわかるようになるの?」——実は、色が「見える」ことと色の名前が「言える」ことは、別の発達です。

色が「見える」発達の目安

  • 生後1か月:赤などの鮮やかな色に反応し始めます
  • 生後2〜3か月:赤・緑・青などの原色を区別できるようになってきます
  • 生後4〜6か月:色の区別がぐっと進み、大人に近い色覚に近づいてきます

色の名前が「言える」のはいつ?

色が見えていても、色の名前を正しく言えるようになるのはもっと後です。

  • 1〜2歳:同じ色を選んで合わせることはできるが、名前はまだ言えない
  • 2〜3歳:色の名前を言い始めるが、間違いも多い時期
  • 3〜4歳:赤・青・黄・緑などの基本的な色を正しく言えるようになる
  • 4〜5歳以降:オレンジ・ピンク・むらさきなど、より細かい色の名前も言えるようになる

3歳ごろまで色の名前を間違えることは珍しくありません。見えている色と、その名前がつながるまでに時間がかかるのです。

色覚の検査はいつ受けるの?

以前は小学校の健診で全員が受けていた色覚検査ですが、2003年に必須項目から外れました。現在は中学1年生の健診で希望者が受けられます

もし気になることがあれば、4〜5歳ごろから眼科で検査ができます。色覚異常(いわゆる色盲)は、赤と緑の区別がしにくいタイプが多く、日本では男性の約5%・女性の約0.2%にみられます。

「色の名前をよく間違える」「特定の色の区別が難しそう」と気になるときは、眼科に相談してみてください。早めに知っておくことで、本人も周囲も対応がしやすくなります。

まとめ

  • 新生児の視力は約0.01〜0.02。ぼんやり見えている状態から始まります
  • 焦点が合う距離は約20〜30cm。ちょうどだっこや授乳のときのお母さんの顔との距離です
  • 生後2〜3か月から追視が始まり、3〜4か月で色の区別ができるようになります
  • 視力は6〜8歳頃に完成します
  • 顔を近づけて話しかけること、ゆっくり動かして目で追わせることが、視力発達の助けになります
  • 気になることがあれば早めに眼科へ

毎日の授乳やだっこのなかで、赤ちゃんはあなたの顔を一生懸命見ています。その視線の先には、大好きなお母さんがいます。声をかけながら顔を近づけてあげる——それだけで、赤ちゃんの発達はしっかりと育まれていきます。