ミルクの足し方がわからない…混合育児の考え方|宮崎・もあな助産院

「母乳のあとにミルクをあげているけど、この量で合ってるのかな?」
「足しすぎると母乳が減るって聞いたけど、本当?」
「そもそも、いつまで混合でいいんだろう?」

母乳とミルクの両方をあげる「混合育児」。実は、授乳で困ったことのあるお母さんのうち、混合栄養の方は88.2%ともっとも多く、「母乳が足りているかどうかわからない」と感じる方は半数を超えています(厚生労働省 平成27年度乳幼児栄養調査)。

つまり、ミルクの足し方に迷うのは、あなたが特別なわけではなく、混合育児をしている多くのお母さんが通る道なんです。

この記事では、宮崎市で助産院を開業している助産師が、混合育児の考え方とミルクの足し方の基本、よくある不安へのお答えをまとめます。

まず知ってほしいこと:混合育児に「唯一の正解」はありません

ミルクの足し方は、赤ちゃんの体重の増え方、お母さんの母乳の分泌、生活スタイル、そして「お母さんがどうしたいか」によって変わります。

ネットや育児書に「○ml足しましょう」と書いてあると、つい「その通りにしなきゃ」と思ってしまいますよね。でも、その数字はあくまで目安のひとつ。あなたの赤ちゃんにとってちょうどいい量は、また少し違うかもしれません。

だから、数字とにらめっこして悩んでしまう日が続いたら、ひとりで抱え込まずに、助産師や小児科にちょっと聞いてみてくださいね。それだけで、ふっと気持ちが軽くなることもありますよ。

この記事も「正解の量」をお伝えするものではなく、「考え方の地図」として読んでいただけたら嬉しいです。

混合育児のいろいろな形

ひとくちに「混合」といっても、いくつかのパターンがあります。

  • 母乳をしっかりあげて、足りない分だけミルクを足す(母乳をメインにしたい方)
  • 毎回、母乳とミルクを決まった量であげる
  • 日中は母乳、夜だけミルク(お母さんの休息や預けるため)
  • 母乳を増やしていきたくて、一時的にミルクを足している

どれが良い・悪いではありません。お母さんと赤ちゃんに合っていれば、それが正解です。

ミルクを足すときの基本的な考え方

1. まず母乳をあげてから、ミルクを足す
母乳をメインにしたい場合は、先に左右のおっぱいをしっかり吸ってもらってから、足りない分をミルクで補うのが基本です。

2. 足す量は「少なめから」様子を見る
最初から多めに足すより、少なめから始めて、赤ちゃんの様子を見ながら調整していくほうが、母乳とのバランスを取りやすいです。

3. 体重の増え方が、いちばんの目安
1回ごとの量に一喜一憂するより、1〜2週間単位で体重がゆるやかに増えているかを見るのが安心です。

4. 「母乳が減るのが心配」なら、授乳の回数と時間を保つ
おっぱいは吸ってもらうほどつくられます。母乳を保ちたい方は、授乳の回数と時間を減らさないことが大切です。

こんなときは相談を

  • 体重がなかなか増えない、または減っている
  • 母乳を増やしたいけれど、どうしたらいいかわからない
  • 逆に、ミルクを減らして母乳中心にしていきたい
  • ミルクを飲むのをいやがる/母乳を飲むのをいやがる
  • 「この量で合っているのか」がずっと不安で、気持ちが休まらない

特に最後のひとつ——「ずっと不安」というのは、立派な相談理由です。量が合っているかどうかだけでなく、お母さんが安心して授乳できることも、とても大切だからです。

よくある質問

Q. ミルクを足すと、母乳は減ってしまいますか?

「減る」というより、「母乳が増えていく機会を逃してしまう」と言ったほうが近いかもしれません。少していねいにお話ししますね。

母乳は、赤ちゃんに吸ってもらうほどつくられるようになります。特に生まれてから2週間ごろまでは、母乳の量がぐんと伸びていく大切な時期です。この時期にできるだけミルクを足しすぎず、赤ちゃんが満足するまで、1日10回以上を目安にたっぷり授乳していくこと。そして体重がちゃんと増えているなら、それがいちばん母乳を育てる近道です。

ここで多くのお母さんがぶつかるのが、生後1〜2か月ごろ。赤ちゃんがよく泣くようになる時期です。「泣く=母乳が足りない」と感じて、不安からミルクを足していく——すると、おっぱいを吸う回数が自然と減っていき、結果として母乳が増えるチャンスを逃してしまう。気づくとミルクの割合が増えていた、ということが起こりやすいんです。

だから、「ミルクを足すと母乳が減る」と機械的に考えるより、赤ちゃんが泣く時期に、不安からミルクを増やしてしまいやすいことを知っておくほうが大切です。赤ちゃんが泣くのには、おなかが空いている以外にもいろいろな理由があります。

「足りていないのかな」と不安になったら、ミルクを増やす前に、一度助産師に相談してみてください。体重を見て、授乳の様子を見て、「足りていますよ」「ここを少し変えてみましょう」と一緒に確認できます。それだけで、安心して授乳を続けられることがたくさんあります。

Q. 混合は、いつまで続けていいんですか?

「いつまで」という決まりはありません。母乳中心にしていきたい方も、混合のまま続けたい方も、ミルク中心に切り替えたい方も、それぞれのペースで大丈夫です。

あえて言うなら、お母さんが「十分にやった」と感じられたとき、そして赤ちゃんが「おっぱいから栄養も愛情も、たっぷりもらったよ」と卒業を決めたとき——それが、その親子にとってのタイミングです。カレンダーの日付ではなく、おふたりの気持ちが、いちばんの目安なんです。

Q. 夜だけミルクにしても大丈夫?

生活スタイルに合わせた選択のひとつなので、「ダメ」ということはありません。でも、母乳を増やしていきたい気持ちがある方には、特に産後の早い時期は少しもったいないかもしれません。その理由をお話ししますね。

母乳をつくる「プロラクチン」というホルモンは、実は夜のほうがたくさん分泌されます(夜間に分泌が高まることが分かっています)。つまり、夜の授乳は、母乳を増やすのにとても効果的な時間なんです。

赤ちゃんはもともと夜に活発になりやすく、夜の授乳が頻繁になりがちです。その「母乳を増やしやすい大切な時間」をミルクに置きかえてしまうと、産後早期は特に、母乳を増やすチャンスを逃しやすくなります。

それに、よく泣く赤ちゃんの場合、ミルクをあげたあともまだ泣くことがあります。そんなとき、抱っこであやし続けるのは本当に大変ですよね。おっぱいで安心させてあげられるなら、そのほうがお母さんもラクなこともあるんです。

赤ちゃんが夜にまとまって眠るようになる時期には個人差がありますが、数か月たつと少しずつ夜に眠る子も増えていきます。だから、はじめから「夜はミルク」と決めてしまうより、母乳を増やしたい時期だけでも夜の授乳を大切にできると、後がラクになることが多いですよ。

もちろん、お母さんが眠れずに限界、というときは、夜にミルクや家族の手を借りて休むことも大切な選択です。「こうしなきゃ」と縛られず、迷ったら一緒に考えましょう。

宮崎で混合育児の相談ができる場所:もあな助産院

もあな助産院(宮崎市佐土原町)では、母乳相談・乳房ケア(BSケア)を行っています。

「ミルクの足し方が合っているか見てほしい」
「母乳を増やして、ミルクを減らしていきたい」
「混合のまま、無理なく続けたい」

——どんなご相談でも大丈夫です。お母さんの「どうしたいか」を大切に、赤ちゃんの体重や授乳の様子を一緒に確認しながら、その方に合った方法を考えていきます。

料金:初診 4,500円(税込)/再診 3,500円(税込)
所要時間:45〜60分ほど
赤ちゃんと一緒にいらしてください。 授乳の様子を見せていただくことで、より具体的なお話ができます。
ご予約:LINEまたはお電話で受け付けています。出張ケアもしています。

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まとめ

  • 混合育児に「唯一の正解」はなく、お母さんと赤ちゃんに合っていればそれが正解
  • ミルクは少なめから様子を見て、体重の増え方を目安に調整
  • 母乳を保ちたいなら、授乳の回数と時間を減らさないことがポイント
  • 「この量で合ってる?」という不安そのものが、相談していい理由です

ミルクの缶に書いてある目安の量と、わが子をくらべて落ち込む必要はありません。あなたと赤ちゃんのちょうどいいを、一緒に見つけましょう。


参考文献

  • 厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134208.html
  • WHO / UNICEF「The physiological basis of breastfeeding」 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK148970/